2005年12月08日

バッティングの科学 ステイバック


軌跡.jpg←この絵はある長距離バッターのスイングの軌道を描いた物です。
美しい軌道ですよね。注目して欲しいのは軌道が上体に対して直角になっている点です。
こうなると楽にバットを振ることができます。
こうやって打つには高めの球以外は上体をホームベース側に倒さなければなりません。

ところで少年野球BLOG: ステイバック もう一つの斜めでは、体は意識して傾けるのではなく、ステイバックすることで自然にホームベース側に傾くと説明されています。
ステイバックとはバットスイングの際に頭の位置をしっかりと最初の位置に残しておくことです。
体が傾く理由をコマの動きを例に説明されています。
このコマの動きをジャイロ効果と言いますが、物理学の勉強がてら、このジャイロ効果について説明します。


ジャイロ効果とは慣性の法則をコマに当てはめたものです。
慣性の法則は『運動中の物体はその運動を続けようとする』ということですがジャイロ効果は『回転する物体はその回転を続けようとする』

まず、回転の表現方法について図1で説明します。
現.jpg
図のようにネジが進む方向を正とした矢印(ベクトルと言います)で表します。回転の方向を矢印の向きで回転の速さや強さを矢印の長さで表すわけです。
こうしておけば、例えば、2つの回転が組み合わさった時にどんな回転になるか知るには、矢印(ベクトル)に置き換えて足し算をすれば良いです。
ベクトルの足し算は矢印をつなぎ合わせるだけですから簡単です。


ジャイロ効果.jpgいよいよジャイロ効果の説明です。
図2のコマは最初、赤で示した様にまっすぐ立って回っています。
これを外から力を加えてオレンジ色のように軸を傾けます。
ここでジャイロ効果で『回転する物体はその回転を続けようとする』わけですから、オレンジ色の回転は赤色の回転に戻ろうとします。ベクトルで表現するならば黄色のベクトルが加わる。つまりオレンジ色のベクトルに黄色のベクトルをつなげて赤色のベクトルと同じになろうとする。
つまり回転の軸に対して紙面(画面)手前側への回転力が作用します。


バッティング.jpgそれでは、この動きをバッティング動作に当てはめてみましょう(図3)
最初の赤色の回転は右バッターの腰の回転です。
ステイバックによって回転の軸はキャッチャー側に倒れます。オレンジ色の回転ですね。
この回転は最初の赤い回転に戻ろうとして黄色の回転力が作用する。つまり、ホームベース側に倒れる力が作用するわけですね。
めでたく、コマの動きと一致しました。

いかがですか?
頭痛くなった? それともおもしろかった?
自然科学や数学は自然と対話する言語、おもしろい物ですよ。
posted by skyboys広報 at 00:21| Comment(16) | TrackBack(1) | 野球の科学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
 ↑お見事っ!な説明です!
 とっても判りやすかった…と、思います。
(曲がりなりにも理工学部だからな〜(^^ゞ)

 さっそく、バッセンに行って試してみよう〜!
ε=ε=┏( ・∀・)┛
Posted by でぃあ at 2005年12月08日 10:08
素晴らしいです。
metooさんの解説をどうやって子どもに教えようかと思っていましたが、さすがSkyboys広報さんです。これなら、うちのヤンチャどもでも大丈夫ですね。
Posted by 少年野球コーチ at 2005年12月08日 11:38
あたま痛くなりましたが、理解できました。
ホームベースよりに傾くのは自然の原理なんですね。
ポイントはステイバック(^o^)

りょーかいりょーかい!
ありがとうございます(^-^)
Posted by Shin at 2005年12月08日 12:15
理系が苦手な私も今回は頭が痛くならずに済みました。理由は、
1:metooさんのエントリーで予備知識があったこと。
2:マインドマップでお世話になったイラスト(野球少年)が最後に出てきてホッとしたこと。
だと思います。(笑)

>自然科学や数学は自然と対話する言語、おもしろい物ですよ。

なるほど!興味のある言葉ですね。このフレーズを学生時代に教えていただければ、私の脳も変わっていたかも知れないなぁ…。
Posted by 始動者 at 2005年12月08日 12:34
TBありがとうございます。
さすがSkyboys広報さん、素晴らしい指導者に恵まれたチームですね!
広報さんは、サラリーマンではないですね、きっと大学の講師か予備校の先生ではないですか?
ベクトルなどわかる小学生がいたら、大人は立場がありません。
やっぱり勉強が大切なんですね^^
Posted by metoo at 2005年12月08日 15:48
でぃあさん、いつもコメントありがとうございます。
バッターのタイプにもいろいろあって、しっかりステイバックして後ろ足を軸足にする打ち方はそのうちの一つですから、でぃあさんに合っているかどうかはわかりません。
合っていれば儲けものぐらいの軽い気持ちで試してみてください。
Posted by Skyboys広報 at 2005年12月08日 20:17
少年野球コーチさんのところは中学生なので、理解してくれるかもしれませんね。
「おもしろい」、「なるほど」と目を輝かせてくれる子がいれば嬉しいです。
Posted by Skyboys広報 at 2005年12月08日 20:21
Shinさん、いつもノブ君の成長を楽しみにブログを拝見させていただいています。
ステイバックはノブ君のようなパワーヒッターに必須です。
ノブ君、急激な成長ぶりで広角打法を身につけてきているようですね。
個人的な好みなんですが、キューバあたりの選手のように外角球でも踏み込んで強引に引っ張るぐらいのパワーヒッターになって欲しいです。
将来の球界の宝になる逸材と思いますのであせらずじっくり、育ててください。
Posted by Skyboys広報 at 2005年12月08日 20:35
始動者さん、こんばんは。
癒しに一役買ったイラストの野球少年のモデルは「ボクの少年野球日記」の癒し系プレイヤーK太くんです。

>自然科学や数学は自然と対話する言語、おもしろい物ですよ。
実はこれが一番言いたかった。
野球少年たちには勉強もしっかりやって豊かな人間になって欲しいです。
Posted by Skyboys広報 at 2005年12月08日 20:48
metooさん、こんばんは

ご想像はハズレです。
自動車部品メーカーに勤務のサラリーマンです。
研究所勤務ですので大ハズレというわけではありません。

リベラさんはブログ畳んじゃったし、桜井さんはお忙しいようですので、野球技術に関して情報交換できるmetooさんのブログはとてもありがたいです。
今後も頑張ってください。
Posted by Skyboys広報 at 2005年12月08日 21:02
「頭の中でなんとなく」 という感じだったのですが、この詳しい解説を目にしてみると、イメージが膨らんできましたよ^^ ありがとうございます。
Posted by ドラ夫 at 2005年12月08日 21:29
ドラ夫さん、おはようございます。
イメージが大切。
私もゲンジ君が甲子園で活躍するイメージが膨らんでます。
Posted by Skyboys広報 at 2005年12月09日 07:51
このエントリーは子供たちに難しすぎますよ!
スカイボーイズのみんなに話かける口調で、実はカンペキ文系の私への解説かと思いました^_^
高校時代は物理赤点の私ですが、よく分かりました。
ありがとうございます!!!
Posted by さとる at 2005年12月09日 14:15
確かに小学生には難しいです。
スポ少OBの中高生を対象に書きました。
数学や物理が大の苦手という人が良く「日常生活に必要ない」とおっしゃいますが、そんなことはないですよ。
そんなことを言わせるのは学校の先生の力不足か?
Posted by Skyboys広報 at 2005年12月09日 20:35
あれ〜?この間見たときには気がつかなかったけど,こんなコメントがあったんだ。
>癒しに一役買ったイラストの野球少年のモデルは「ボクの少年野球日記」の癒し系プレイヤーK太くんです。

ふ〜ん,K太くんがモデルだって…。えぇ!そうだったんですか?
Posted by K太父 at 2005年12月13日 01:29
勝手にモデルに使ってごめんなさい。
顔は良く覚えてないのですが、体型の感じを思い出しながら、書きました。
Posted by Skyboys広報 at 2005年12月13日 19:10
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ステイバック もう一つの斜め
Excerpt: 「ホームベースに倒れるように打ちなさい」 こんな指導をアメリカのバッティング指導ビデオで見ました。 はぁ~何でだろう? その頃はそう思っていました。 「右肩を下げないで(右打者)肩を平行に回しなさ..
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Tracked: 2005-12-08 15:50